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【小林至教授のよくわかる「パ高セ低」】育成契約は非情か?3軍は過酷か? 運営費は年間3億円、同額の外国人選手1人とどっちがいいか (1/3ページ)

⇒(4)球界初3軍創設実現の陰に「王会長という印籠」 名前を出せば本社と球団、現場が一枚岩に

 王貞治球団会長の「選手が常に危機感と向上心を持てる環境づくりが、チームづくりの根幹である」という哲学を具現化するべく、ソフトバンクは2011年から球界初の3軍制を導入した。その前段として不可欠だったのが、05年に始まった育成選手制度だ。

 巨人と広島が強力に推進してできた制度でソフトバンクも賛同したが、日本ハムは反対の立場をとって育成選手を全く獲らなかった。当時の球団幹部が「ソフトバンクのやり方は、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。安い選手を獲るだけ獲って、すぐクビは無責任だ」と批判したと聞いた。同様の理由から、アマチュア球界の反発も大きかった。

 確かに入団時の契約金はなく(代わりに標準額300万円の支度金)、年俸は200万円台が大半。多くの選手が1軍経験もないまま、ユニホームを脱ぐことになる。ただ、当初からソフトバンクでは責任を持って、ドラフトで指名した選手全員に親会社グループでの雇用を保証してきた。

 それでも名門校の選手を、育成ドラフトで指名しようものなら出入り禁止は不可避。今季パ・リーグ最優秀バッテリーに輝いた2人はともに育成出身だが、10年に指名できたのは千賀が愛知・蒲郡高、甲斐も大分・楊志館高だったからだ。

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