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東京五輪サッカー開催危機! FIFAが来年開催のアンダー世代W杯中止、IOCと“犬猿の仲”で最悪の事態も

 来年の東京五輪にまた逆風だ。サッカー競技が開催できない可能性が急浮上した。

 国際サッカー連盟(FIFA)が日本時間25日、来年のサッカーU-20(20歳以下)、U-17(17歳以下)W杯の開催を断念し、23年に実施することを突然発表したのだ。理由は新型コロナウイルス収束の見通しがつかないこと。日本サッカー協会の反町康治技術委員長(56)は「とんでもないクリスマスプレゼントだ。悲しい、悔しいのは間違いない。コロナウイルスを憎く思っている」と肩を落とした。

 FIFAは公式サイトで「ホスト国の協会や両大会の利害関係者と定期的に協議してきた。(コロナ禍の)世界の状況が十分なレベルに正常化されていないことが明らかになった」と発表。来年もコロナ禍が続くと判断した上で中止に踏み切ったことを強調した。

 U-20W杯は来年5月からインドネシア、U-17W杯は10月にペルーで開催が決まっていた。東京五輪は両大会の間の7月にある。もちろん、五輪は国際オリンピック委員会(IOC)主催だが、今後、FIFAが東京五輪への各国代表の派遣に懸念を表明する可能性は十分にある。そうなると各国プロリーグのクラブも選手派遣に後ろ向きになってしまうだろう。

 そもそも、IOCとFIFAは100年以上も犬猿の仲が続いている。IOCがサッカーを正式種目として認めたのは1908年ロンドン五輪から。しかしFIFAが1930年に4年に1度のW杯を始め、欧州強豪国のサッカー協会は「世界一を決めるのはW杯だ」として一気に五輪軽視に傾いた。

 19世紀に入ると欧州ではプロリーグが続々と発足し、アマチュアスポーツの祭典・五輪出場を敬遠する協会が続出。そこで折衷案として、五輪を92年バルセロナ大会から、U-23(23歳以下)の世界一を決める大会にすることで落ち着いた。

 反町技術委員長は「東京五輪とW杯予選だけはなんとかやってほしい」と切実に訴えているが、IOCとFIFAの関係を考えると、最悪の事態を想定せざるを得ない状況だ。 (編集委員・久保武司)

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