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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】東京五輪開催へ多くの疑問と不安 定かでない関係者のワクチン接種完了、選手の身内やファンに国境開放するのか? (5/5ページ)

 五輪の延期で経費はさらにかさみ、組織委員会はさらに2940億円を計上した。2021年7月と8月には、さらなる問題が生じるだろう。

 スミス大学(米マサチューセッツ州)の経済学教授、アンドリュー・ジンバリスト氏は「オリンピック経済幻想論 ~2020年東京五輪で日本が失うもの~」を書いた人物だが、つい最近、こんなコメントを残した。

 「コロナウイルスの大流行により、オリンピック開催にかかわる経済的負担と利益を計算する上で、不確定な要素をいくつも織り込む必要に迫られることが明らかになった。少なくとも、将来大会を主催しようという都市は中止や延期に備えた保険の購入を検討する必要がある。オリンピックのスポンサーや放送局も同様で、放映権料を値切る可能性も出てきた。東京オリンピックは史上初めてコロナ禍で延期され、今、IOCは『豪華ショー』を経済的かつ政治的に主催できる都市を見つけることが困難になっている」

 日本で開催される2度目の東京五輪で人々を勇気づけ、感動させようという試みは巨大な金が投入されたあと、最大の危機に陥っている。

 ■Robert Whiting 作家。米ニュージャージー州生まれ。『和をもって日本と成す』(1990年)で日本のプロ野球の助っ人外国人を描き、独特の日米文化比較論を展開した。この逆バージョンともいえる本コラム「サクラと星条旗」は2007年から好評連載中。

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