記事詳細

【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】縦断高校野球列島(1)北海道 寒冷地のハンデはね返す、駒大苫小牧・田中と中標津・山本監督の名言 (1/3ページ)

 新年おめでとうございます。本年も当コラムをよろしくお願いします。今年は47都道府県の高校野球をテーマにつづります。

 全国の舞台で常に上位を争い、プロ野球で活躍する選手もますます多く送り出している。寒冷地のハンディキャップを乗り越えて、今や野球の中心地となっている北海道野球はいくつものステップを踏んでここに至ったが、私は2人の言葉が印象に残る。

 ◆駒大苫小牧・田中将大「野球人生の中で最もキツイ練習を積んだのが高校生の時」

 1つ目は『全ての野球人生の中で最もキツイ練習を積んだのは高校生の時だった』というバリバリのメジャーリーガー田中将大のコメント。

 これは駒大苫小牧時代の冬を指している。私が中継で“真紅の大優勝旗、北の大地に渡る!”と伝えた2004年の道勢として初の全国制覇、続く05年夏の連覇、06年の引き分け再試合の準優勝と強烈なインパクトを残した頃だ。選手たちは全国トップレベルのスピード&パワーを備え心技体に充実していた。当時監督の香田誉士史氏の指導方針によるものだ。冬の雪に挑んだところがすごい。

 しびれるほどの寒さと豪雪、特に北海道の厳しさは屋外で野球をするなんて考えられない。だからどれだけうまくこの季節と付き合うか。暖房でコンディションを確保するとか、室内練習場を拡充するとか、ボールは使わず筋力アップに徹するとか、工夫を凝らしての取り組みだった。

 香田監督は違った。雪の上でも野球はできる、ボールは使える。代表は雪上ノックだった。開き直りでもパフォーマンスでもない。土のグラウンド同様にノック、捕球、送球。氷点下の雪上をはうボールのスピードは速い。足元は滑る。できるだけしっかり取り組まないと寒い。知らず知らずのうちに養われた肉体、精神、技術は自信とともに最強になっていく。ハンディキャップに真正面から向かってアドバンテージに変えた。だが、とてつもなく“キツイ”わけだ。

関連ニュース