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【江尻良文の快説・怪説】メジャーに「世界の王」認知させたアーロン氏の度量 自身はルースの“聖域”踏み込み大バッシング、ひたすら嵐がやむの待った苦い経験 (1/2ページ)

 米大リーグのホームランキング、ハンク・アーロン氏(86)の死去で、改めて世界の王、ソフトバンク・王貞治球団会長(80)とのさまざまな蜜月関係が語られている。が、肝心カナメの話が忘れられている。

 1977年に巨人・王貞治が、アーロン氏が持つ当時のメジャー通算記録を上回る756本塁打を放った際、メジャー側から異論、反論が出なかったのは奇跡的だった。

 というのも、それまでは世界の本塁打王を目指す王に強烈な逆風が吹いていたからだ。メジャー関係者、米国のファンはこう言い放っていた。

 「巨人の王が何本打とうと関係ない。メジャーの球場と違って、あんなに狭い、箱庭のような日本の球場なら、いくらでもホームランは打てるだろう。メジャーの本塁打記録と比べること自体、意味がない」

 それだけに、アーロン氏の当時のメジャー記録を持ち出すだけで、大バッシングされても不思議はなかったのだ。

 しかし、ブーイングは起きなかった。なぜならアーロン氏本人が異論、反論など口にしなかったからだ。なぜか。自身がベーブ・ルースのメジャー通算本塁打記録を破った際、大バッシングされているからだ。

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