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【西本忠成 トラとら虎】まだ信用されていない藤浪 藤川SAも「投げるまで分からない」 7日紅白戦登板が試金石

 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が2月7日の紅白戦(沖縄・宜野座)に早くも登板することになった。この若手並みの扱いに、彼の追い詰められた立場が分かる。

 「決して調整登板じゃないよ、いまから結果を出せ、との通告と受け取れる。合格すればオープン戦登板の切符をもらえるが、逆だと2軍送り」と球団OBのひとりは見る。

 2015年の14勝をピークに転落の一途をたどり、もう5年になる。その間の勝ち星は16年から順に7、3、5、0、1。普通なら忘れられてもおかしくないが、大阪桐蔭高時代の春夏連覇の偉業は不滅で、いまも大器と目されている。故障と無縁の頑健な体と持ち前の速球が、折れそうな心を支えてきた。

 ようやく復活の兆しが見えたのは昨年後半。中継ぎへの配置転換が転機となり、自己最速の162キロをマークした。この時のバランスの取れたフォームを維持するため、オフもボールを握り続けてキャンプを迎えた。

 9年目の勝負手はワインドアップ投法と決めている。プロ1年目の途中から封印してきた本格派の代名詞のフォーム。「この方が勢いがつき、リズムよく投げられる。もう迷いはありません」とブルペンでの表情は明るい。

 長くノーワインドアップやセットポジション投法を続けたのは、クセを見破られないための対策だった。動作を少なくすれば必然的にクセも減少するとの発想だ。大事なことだが、どんなフォームでもクセはついて回る。最優先すべきは打者を圧倒する球威と思い直した。

 キャンプを視察した藤川球児スペシャルアシスタント(SA)は「藤浪もいまは順調。でも投げるまで分かりません」との感想を漏らしている。これはブルペンでの好投手ならいくらでもいるという意味だろう。要はマウンドで打者を相手に同じ球を投げられるかどうか。7日の登板はその試金石の第一段階に過ぎない。 (スポーツライター・西本忠成)

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