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【神谷光男 スポーツ随想】森会長を辞めさせても後任がいない理由 JOCも野放し、開催不透明な五輪を誰が引き受けるのか (1/2ページ)

 強烈な「春一番」だった。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」との、「女性蔑視」とも受け取れる東京五輪組織委員会・森喜朗会長の発言は、東京五輪へのさらなる強い向かい風になった。

 菅首相でさえ、「五輪の重要な理念である男女共同参画とも全く異なり、あってはならない発言」と、衆院予算委員会の答弁で批判したほど。SNSでは若者を中心に辞任などを求める署名活動が、10万筆を超えたというからすさまじい。

 東京都の小池知事は「絶句した」そうだが、実は前日2日にも絶句ものの暴言を吐いている。女性蔑視の歴史的失言ですっかり吹っ飛んでしまったが、自民党のスポーツ立国調査会の会合で「(新型)コロナ(ウイルス)がどういう形であろうと必ずやる」と言い切ったのだ。

 何という無神経さ。この日は政府が、東京都など10都府県での緊急事態宣言の1カ月延長を発表している。「補償が不十分なのにまた1カ月…」と悲鳴を上げる飲食店業界をはじめ、多くの人々にさらなる苦労を強いた日だ。各種世論調査でほぼ8割が「中止」という国民感情を逆なでするばかり。翌日には「女性蔑視」発言で連日の暴言・妄言…。それでも自ら辞めようとしない。

 2013年に東京五輪開催が決まった際、当時の猪瀬都知事は組織委会長に他の人物をあてようとしたが、森氏が自ら名乗りを上げて会長に納まったともいわれる。国内外のスポーツ界に幅広い人脈を持ち、財界との太いパイプで「集金力」も抜群。「ワシの言う通りにせい」といった感じで開催に突き進んできた。

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