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【神谷光男 スポーツ随想】森会長辞任、展開次第で五輪中止も 進むも退くも重く損な役回り、後継者は決断力が必要 (1/2ページ)

 「(自分の)83年の歴史の中で情けないことを言ったもんだな思う」と自嘲の言葉を残して、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞職を表明した。

 「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」の一言が命取りだった。「解釈の仕方だと思う」「女性蔑視の気持ちは毛頭ない」と最後に強調したが、『綸言(りんげん)汗の如し』。体から出た汗と同じで、一度口から出た言葉は取り消せない。

 森氏にしてみれば、会合で座を盛り上げるつもりだったかもしれない。昔から何か突拍子もないことを言って、笑いをとるタイプの政治家に見えた。それが森流のサービス精神の表れともいえたが、一歩間違えば失言につながり、何度も物議を醸してきた。

 今回問題になった日本オリンピック委員会(JОC)での発言も、軽いノリだったのではないか。横で聞いていた人たちもとがめてはいない。「また、森節が出たか」と薄ら笑いで、やり過ごそうとしたのだろう。

 事の重大さに気づき、「森、辞めろ!」と声を上げたのは、スポーツ関係者以外の普通の感覚をもった人たちだった。

 森氏にとって悪夢以外の何物でもない。気心の知れた川淵三郎氏への会長の禅譲も、官邸や政府内、組織委の中では「森氏が後継を指名するのは選考過程上、まずい」との声が上がり白紙になった。何事も自分のやりたいように、思ったようにやってきたのに、周囲の態度は一変していた。気がついたら、王様はハダカだったのだ。

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