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【神谷光男 スポーツ随想】島根・聖火リレー中止検討 「コロナ対応」「政治手腕」丸山知事は骨がある (2/2ページ)

 それでなくとも財政が厳しい地方にとっては、コロナ禍でさらに経済は逼迫している。聖火リレーにかかる約7200万円の警備費用は県にとっては大きな負担だ。他県と同じで聖火リレーには当初大きな期待を持っていたが、コロナで根底から覆されたようだ。

 リレーそのものを「やめた」というのではなく、あくまでも“人質”にとって政府の出方を見ようというわけで、政治的パフォーマンスとしてはうまい手を考えたものである。「政治利用だという人がいるが、五輪は招致段階で政府が関与していて政治そのものだ」とのセリフもまた正論だ。

 一連の発言には、自民党元総務会長の竹下亘衆院議員(島根2区)が「知事の発言は不用意。注意しようと思う」と反応した。言わずと知れた竹下登元首相の異母弟。島根の“領主”のような存在だが、一国会議員が知事に「注意」とは上から目線もいいところで、「何様のつもりだ」と批判が殺到したのも無理ない。なんでも、保守分裂となった2年前の知事選で自分が応援した自民党推薦候補が、丸山知事に敗れたことで遺恨があるとか。そうだとしたらなんとも度量が狭い。

 丸山知事は近く、政府や自民党側に聖火リレー中止の意向について直接出向き説明するという。竹下氏の「注意」発言については「悪意に受け取る必要はない」と受け流した。なかなか骨のある知事。小国「松江藩」の藩主にしておくのは惜しい気もする。(作家・神谷光男)

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