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【実況・小野塚康之 時代を越える名調子】縦断高校野球列島(9)栃木 怪物続出!!進化する作新学院 江川震撼、革新采配の小針監督 (1/5ページ)

 NHK時代甲子園で実況のスタートを切った1986年センバツで、宇都宮南が準優勝を飾った。右の本格派2年生エース高村祐が大会に入ってから力を付けて勝ち上がった。学校創立10年の栃木の公立校は高村の雄姿と共に今もフレッシュに残り続けている。

 一方、重く大きく深く私の高校野球史に刻まれているのが作新学院だ。その時代ごとの際立ち方は半端ではない。

 何と言っても1973年春夏出場の江川卓だ。怪物と呼ばれたこの投手を甲子園の映像で見た時は衝撃だった。

 桁違いの実力は対戦相手の反応が示していた。初登場のセンバツで開会式後の第1試合。強豪の北陽、立ち上がりから打者がボールに当たらない。短く握ったバットが空を切った。1回はコンタクトゼロ、2回になって振り遅れのファウルが初めてスタンドに飛んでドッと湧く有様だった。

 夏の柳川商業はバントの構えから打ちに行くバスターヒッティングというかプッシュバント打法。狙いは明らかに打ち砕くのではなく当てに行く雰囲気に満ちていた。打者として不格好に見えた。

 投手がこんなにも打者の立ち方や構え方まで変えさせてしまうのかと気付かされた。これは投手がどれだけ優れているのかを判断するバロメーターなのだと、今の仕事に役立つ視点を与えてもらった気がする。

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