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【実況・小野塚康之 時代を越える名調子】市和歌山・小園、熱血監督をムキにさせた投球術 苛烈に動き揺さぶるも…好投手動じず (1/2ページ)

 「小園君は変化球投手です。真っすぐはちゃんと振っていましたが、変化球の対応が出来ませんでした」。試合後、市立和歌山の小園健太の印象を聞かれた、県立岐阜商業の鍛治舎巧監督の答えだ。最速152キロ右腕を“変化球投手”と言い放ちながら、オンラインのマスク越しにのぞかせる表情と抑え気味のトーンに、本気の悔しさが籠っていた。速球に対する自信はあったが、変化球が想定以上だったという。

 速球に強い打線は、1回から先頭の中西流空がいいタイミングで踏み込みながら、速球を見極め四球で出塁した。30年以上のお付き合いになる鍛治舎さんと試合前日にやり取りした際に、小園対策は「正面突破か揺さぶるか、試合が始まってから考えます」と返ってきたが、実は十分に練っていた。

 この無死一塁、“速球狙い”でいきなり仕掛けた。2番宇佐美佑典の初球にヒットエンドラン。ファウルになったがその後もヒッティングを継続し、センターライナーだった。バントはしなかった。立ち上がりの小園の速球を捉えて、一気に攻略する自信があったはずだが無得点。2回も若いカウントから速球狙い、チャンスは作ったが、あと一打が出ず先制点を奪えなかった。

 その後も相手のエラーや四球などで好機をつかむが、要所を三振で討ち取られる。小園は速球とともに徐々に変化球が冴え始める。落ちたりスピードを変えるツーシームに加え、カットボールやスライダーにキレが出た。追い込まれると、県岐阜商業の見極めが怪しくなってくる。