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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】あわやマー君も被害「ヘイトクライム」を冷静に考えよう 「爆弾仕掛ける」脅迫、白人優位社会の脅威 (3/4ページ)

 アメリカの歴史の中でもぞっとするほど恐ろしい側面ではあるが、一方でこれとは別の歴史もある。

 1959年には、両親が中国系移民でハワイ出身のヒラム・フォン氏が、米国史上初のアジア系米国人として上院議員に選出された。ついで日系のダニエル・イノウエ氏が上院議員に選出された。第二次世界大戦中、ヨーロッパ戦線に投入された米陸軍「442連隊」の一員。宇宙飛行士、エリソン・オニヅカ氏は日系三世だった。

 1990年代後半になると、アンチ日本の感情が次第に薄れていった。1995年にドジャースでデビューした野茂英雄氏の活躍が米国人の日本人観を変えたともいわれた。

 今ではアジア系米国人の方が、白人より高い教育を受け給料も高い。

 2019年のアジア系米国人の平均年収は9万8174ドル(1070万円)。日系米国人は8万5000ドル(926万円)で白人の平均6万5000ドル(708万円)を上回る。多分、これはあなたもご存じないと思う。

 2050年までには現在のマイノリティーがマジョリティーを構成し、白人がマイノリティーになると推定されている。ドナルド・トランプ前大統領はそんな白人社会の黄昏時の象徴だった。

 カリフォルニアとニューヨークに挟まれた米内陸部は経済が大きく疲弊。そこでトランプ氏はウイスコンシン、オハイオなど、景気後退に苦しむ州にターゲットを絞ってキャンペーンを展開。中国や日本との不公平な貿易環境を是正すると訴え、選挙に勝った。だが、こうした状況は将来、減少していくことだろう。