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【江尻良文の快説・怪説】悲願の五輪金メダルか中核選手の故障リスクか…ジレンマに陥るプロ野球界

 14日、日本野球機構(NPB)は、日本代表が東京五輪直前の7月24日に楽天、25日に巨人と2連戦の強化試合を行うと発表した。初金メダルに期待がかかるが、新型コロナウイルス感染拡大に振り回されていることもあり、プロ野球界とすれば東京五輪の負担は次第に重く感じられていることだろう。

 ペナントレースはようやく開幕はしたものの、各球団共に主力選手の相次ぐ故障対策に追われている。ソフトバンク・千賀、巨人・菅野など、東京五輪で中核を期待される主要選手が故障を抱え、シーズン序盤は本来の活躍ができていない。

 故障を抱えた主力選手を日本代表として野球競技(7月28日から8月7日まで福島県営あづま球場、横浜スタジアム)に派遣するのは、球団としては気が気ではない。強化試合から日の丸に燃えて、故障を顧みずにプレーする代表選手もいるだろう。

 が、「野球の初の金メダル獲得」が国民的な悲願であるのは事実。しかも、野球が五輪の正式競技なのは、今回の東京五輪が最後になるかもしれないという事情もある。

 それだけにプロ野球界としてはジレンマに陥るところだ。プロ野球界活性化の特効薬としても金メダルは欲しい。ラストチャンスで悲願の五輪金メダル獲得を果たせば、コロナ禍に沈んだ日本列島の空気を吹き飛ばすミラクルにもなる。

 一方で、その代償として各球団の中核選手にケガなどアクシデントが起きたら一大事だ。肝心かなめのペナントレースは取り返しがつかなくなり、元も子もなくなる。

 新型コロナウイルス感染拡大の中、五輪直前のNPB、12球団共に難しいマネジメントを要求されている。プロ野球界の命運を握る令和3年の夏となるのは間違いない。(江尻良文)

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