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【中山徹 俺にも言わせろ】努力家松山が「練習は裏切らない」とマスターズ制覇で実証した

 ついに松山英樹(29)がやった! 世界メジャーのマスターズを日本人、東洋人選手として初めて制した。

 俺は涙が止まらなかった。一緒にテレビ観戦していたカミさんと涙をポロポロ流し続けた。

 最終日、2位と4打差の首位スタートで松山は計り知れない重圧を背負っていたことは容易に想像がつく。18番グリーンのパットを沈めるまで、優勝争いの重圧から解放されることはない。本当に苦しかっただろう。ウイニングパットを沈めた瞬間、これまでの苦労に思いがおよび、俺の涙腺は崩壊した。

 大会4日間、松山のパットは出場選手中ナンバーワンのうまさだったし、アプローチも抜群だったことが勝因だと思う。ムービングサタデーの第3ラウンドでは、1イーグル、5バーディーの65をマークした。ボギーになりそうな場面もあったが、絶妙の寄せとパットでパーをセーブしてのベストスコアだった。

 最終日の1番パー4。ティーショットを右にフカし、3オンしてのパーパットは10メートル以上あったように見えた。惜しくも一筋ほど外れたが、ラインの読みとタッチが合っていたことで「今日は大丈夫、勝てる」と俺は確信した。

 今年初めはパットの不振に陥っていた松山だが、マスターズでは完全に復調していた。パットが上手かったアマチュア時代の時のように、下半身がまったく動かないストロークを取り戻し、さらに磨きが掛かっていたのが、大会初日に見て取れた。

 ツアー界屈指の練習の虫である松山は、どれほどパット練習に明け暮れたことか。その必死さ、真面目さをオーガスタの女神も見守っていたのだと思う。そのご褒美として、林に打ち込んでしまったティーショットをフェアウエーに出してあげたり、トラブルショットでもグリーン方向へ打ち出せるようにしたりしてくれたのだ。運とは降ってわくものではなく、日頃の努力と苦労で引き寄せるものだ。神がかり的なショットも練習あってのことだ。

 使い古された言葉かもしれないが「練習は裏切らない」を松山はマスターズ制覇で実証してくれた。英樹よ、おめでとう。俺は涙が枯れ果てたよ(笑)。 

(構成=フリーライター・伝昌夫)

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