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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】川崎DF・山根視来から見る理想のプレー いいSBになるには良きパートナーが不可欠

 明治安田生命サッカーJ1では昨季王者の川崎が今季も安定の強さ。要因のひとつに27歳の右サイドバック(SB)、山根視来(みき)の存在感があります。14日の第19節・福岡戦(等々力)ロスタイムに決めたチーム3点目のゴールは、今のSBはこうあるべきだというプレーでした。

 SBはピッチを上下に走り回っているだけでは使い物になりません。まずは対人に強いこと。シュートの技術も必要で、攻め上がるタイミングや走るコースの見極めも大切です。常に冷静さも要求される、難しいポジションです。

 山根は中学時代はFWでした。高校ではボランチ、大学に進学すると2列目の左。これだけコンバートが連続するサッカー人生は珍しい。そして2016年に入団したJ1湘南では、2年目に3バックの右のストッパーに転向。これは当時のチョウ・キジェ監督(52)=現J2京都=が突きつけた、「おまえができるのはDFしかない」という愛のある最後通告だったそうです。

 今の山根の活躍はこれまでのコンバート人生の賜物。どの局面でも、これまでの経験がモノをいっています。昨年川崎に移籍してからは右SB。2年目の今季、チームに彼の代役はいませんね。3月には日本代表にも初招集されました。

 SBは個の力だけではなかなかゴールに絡めません。いいSBになるには、素晴らしいパートナーが不可欠です。福岡戦の山根のゴールはFWレアンドロ・ダミアンとの絶妙なワンツーから生まれましたが、ベテランMF家長昭博(34)とも相性が最高にいい。

 日本代表の不動の右SB酒井宏樹(31)=フランス1部マルセイユ=も、J1柏時代にはFWレアンドロ・ドミンゲスという相性抜群のパートナーがいました。そしてどんどんうまくなり、海外に出ていきました。今の山根を見ていると、当時の酒井と重なります。酒井に追いつき追い越す可能性が十分ある、楽しみな選手です。

(元J1横浜監督・水沼貴史)

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