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松山英樹が「黄昏時」のオーガスタで勝った意味 ローアマ10年、グリーンジャケット夢に「才能は有限。努力は無限」を有言実行 (3/4ページ)

 オーガスタのコースが、最も美しい彩りを見せてくれるのは、日曜日の遅い午後である。マスターズの最終日最終組のスタート時間は、ほぼ午後3時前後だ。フロント9を2時間でターンしても、夕方5時過ぎからバック9に入る。そして、有名なアーメンコーナーにさしかかるのは、午後というよりむしろ黄昏時だ。厳かな空気すら漂う。

 その美しすぎる深い緑のフェアウエーに木々の長い影が垂れ込める。優勝争いの佳境に入った選手たちだけが、まるでスポットライトを浴びるように映しだされる。

 「選手たちにとっての正念場が、その時間なんですよ。自分がやってきて積み重ねた技量、感性、いや人生観そのものが問われる時間だと思う。そこで勝てる選手は、あと一歩踏み込める勇気や決断、心技体というものが備わっていると思う。自分が足りなかったものは、足りないと(コースから)冷酷に指摘されるしね…だから、いつもマスターズは、自分を映し出す等身大の鏡がある」と中嶋常幸は言った。

 ジャック・ニクラスは「マスターズに参加するということは、最終日の遅い午後にスタートしてこそ意義がある」と言った。つまりは、優勝争いの渦の中にいなければ、マスターズの醍醐味はないということだ。

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