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【西本忠成 トラとら虎】阪神ルーキー中野が首位牽引 「こんな選手がドラフト6位指名まで残っていたのが不思議」

 阪神のルーキー中野拓夢内野手(24)が遊撃争いの先頭に立っている。開幕14戦目に初スタメンのチャンスをもらうと、ライバルの木浪、山本を押しのける大活躍。このまま定位置を奪いそうな勢いだ。

 球団OBは「こんな選手がドラフト6位指名まで残っていたのが不思議なほど。左打ちだが左投手を苦にしないのも強み。攻守走のバランスが取れ、大きな欠点は見当たらない」と評価する。

 出身は山形県天童市。日大山形高-東北福祉大-三菱自動車岡崎と進み、アマ球界では名の知れた存在だった。ただ、身長171センチ、体重69キロと小柄。他球団のスカウトにすれば体力面で不安を感じたのかもしれなかった。

 首脳陣が最初に注目したのは2月のキャンプ。レギュラークラスに負けないバットスイングの速さに驚いた。小柄な選手にありがちなミート主体の打法ではなく、積極果敢なフルスイング。これが魅力で開幕1軍の切符をつかんだ。

 こうして迎えた4月9日のDeNA戦(横浜)。阪神は大勝したものの、遊撃でスタメン出場の山本は3の0、2三振、代走から遊撃に入った木浪は2失策。これを見て矢野監督が翌日の同カードから中野のスタメン起用に踏み切ったのがターニングポイントになった。

 結果は4打数1安打、初打点、初盗塁。その翌日は4打数3安打1打点。物おじしない性格も本番ではプラスに働く。「初めて対戦する投手ばかりだが、それでいて速い球にも変化球にも対応力がある。総合的に守る方も伸ばしていってくれたら、もっともっと面白い存在になる」と矢野監督の脇役としての評価も高い。

 33試合を消化した時点の打率・375は、木浪の・179、山本の・167を大きくリード。掘り出し物の8番打者がこんな高打率を誇るのだから、チームが首位を走るのもうなずける。 (スポーツライター・西本忠成)

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