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【小林至教授のスポーツ経営学講義】総合スポーツ大会を独占、時代にそぐわぬIOC 商品の分離あるいは組織の分割必要 (2/2ページ)

 自浄作用に期待するのは、これはIOCに限らずだが、だったら法律はいらないということになる。事実、2002年ソルトレークシティー冬季五輪の招致委員会によるIOC委員の買収が発覚し、世界中の非難を浴びたときには「もうやめます」と言ったが、招致のためにIOC委員を買収する行為はリオでも東京でも発覚するなど、脈々と継続している。

 では、こうした独占企業体に市場メカニズムによる浄化の網に掛けるにはどうすればいいか。まず、IOCをコングロマリットとして扱う必要があるだろう。そのためにどのような法解釈を適用するかは法律家と政治家の仕事だが、本気になればなんとかなるだろう。

 次にすべきは分割あるいはサービスの分離だ。マイクロソフトが日欧米当局との係争を経て、自社のウェブブラウザ(エクスプローラー)だけでなく他社のウェブブラウザも選択できるようにしたように、商品を分離するか。あるいは国鉄を民営化した時のように分割するか。IOCの場合も夏と冬、屋外と屋内、地域など分離・分割の方法論はさまざまにあろう。

 いずれにせよ、初代会長のクーベルタン男爵が、世界平和と青少年の育成という崇高な理念の実現のために、私財を投げ打ち破産してしまった黎明期と、ぼったくり男爵率いる貴族集団が都市を食い物にしていると揶揄されるようになったいまを対比すると、IOCという組織形態は潮時を迎えたということなのだろう。(桜美林大教授、小林至)

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