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【編集局から】五輪取材で来日する報道関係者の申し出に複雑な思い

 見慣れないアドレスから届いたメール。数年前に知り合い、都内の居酒屋で酌み交わした欧州在住のジャーナリストから、東京五輪の取材で来日する連絡でした。その締めくくりには「また飲みましょう」とお誘いがあり、本来なら大歓迎の申し出に複雑な思いを抱いてしまいました。

 海外からの報道関係者は新型コロナウイルス対策のため、入国後は大会組織委員会が指定する宿泊施設で2週間の隔離が義務づけられています。外出先は競技会場などに限られ、交通手段も公式バスかタクシーと制約が多いようで、「こちらはワクチン接種を済ませているのに、もう少しなんとかならないのか」という言い分を聞くと、接種が遅れているホスト国として申し訳ない気持ちがします。

 とはいえ、隔離さえ済めばどこに泊まろうが、どこへ出歩こうが自由。だから「東京に着いて2週間たったら飲もう」というわけです。果たしてその頃、都内の飲食店はアルコールの提供を再開しているのでしょうか。そもそも大会期間中、五輪の取材パスを持った報道関係者が夜に飲み歩き、翌朝に競技会場を出入りできる状況は「安心安全」なんでしょうか。

 遠い国から来る同業者との再会は楽しみですが、とりあえず返信では「また飲めたらいいですね」と濁しておきました。(運動部・笹森倫)

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