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【神谷光男 スポーツ随想】朝乃山の不祥事は高砂部屋のDNAが生んだ災難 「6場所出場停止」は部屋全体に下されたペナルティーという見方も (1/2ページ)

 大関朝乃山の「6場所出場停止」は、あまりの厳罰に正直なところびっくりした。確かにこのコロナ禍、日本相撲協会が作成したガイドラインに違反し、今年3場所の場所前など計10回もキャバクラ通いしたことは弁解の余地などない。

 しかもスポーツ紙の相撲記者と口裏を合わせ、協会の当初の聴取に「事実無根」と虚偽報告したのも最悪だった。一番悪いのは諭旨解雇になったこの記者だが、コンプライアンス担当の尾車部長(元大関琴風)によると「大関で模範にならないといけない地位ということも大きい」とか。

 それにしても6場所停止とは力士にとっては「引退勧告」にも等しい。次の名古屋は大関に留まるが、9月の秋は関脇に転落。後は真っ逆さまに落ち復帰予定の来年名古屋は三段目からの復帰になりそうだ。

 両膝のけがなどで序二段まで落ちながら大関にカムバックし即優勝した照ノ富士の例はあっても、朝乃山がそこまで不屈の闘志を持ち合わせているかどうか。

 コンプライアンス違反では阿炎や竜電が3場所出場停止処分を受けた。軽率な行動を反省させ出直す機会を与えるには程よい長さだろうが、1年6場所は長すぎる。「体力は何とか維持しても、モチベーション維持は難しい。大関は3場所停止なら必ず陥落する。その精神的打撃の大きさを勘案して朝乃山も3場所でも十分だった」とある親方は同情的だ。

 朝乃山だけではなく高砂部屋全体に下されたペナルティーという見方もある。昨年12月、65歳で定年退職となり、高砂から錦島と名跡を変え再雇用制度で協会に残った前師匠(元大関朝潮)の不行跡がその一つだ。

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