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【田代学 ダッグアウトの裏側】3度目サイ・ヤング賞、MVPの声も…メッツ・デグロム、敵は故障だけ!? 史上初記録を2つ

 米大リーグで、自責点が公式記録としてカウントされるようになったのは1913年で、打点は20年。ともに100年以上の歴史があるなか、メッツのジェイコブ・デグロム投手(32)が11日(日本時間12日)のパドレス戦で史上初の記録を2つもマークした。

 6回を被安打1、無四球、10奪三振で無失点。6勝目(2敗)を挙げ、開幕から先発10試合の防御率が史上最少の0・56となった。大リーグ公式サイトが見出しに(誤植ではない!)と注釈を付けるほど驚異的な数字。同じメッツで「ドクターK」の異名をとった85年のドワイト・グッデンでさえ、先発10試合では1・89(最終成績は1・53)だった。

 2つめの記録は打点。左打ちのデグロムは5回、同じ2018年にサイ・ヤング賞を受賞した左腕のブレイク・スネル投手(28)から、左前へ決勝の2点適時打を放った。今季5打点となり、10試合に先発した投手としては初めて打点が自責点(4)を上回った。

 ご存じの読者も多いだろうが、デグロムは身長193センチの本格派右腕。100マイル(161キロ)前後の速球と高速スライダー、チェンジアップが武器で制球もよく、すでにサイ・ヤング賞を2度獲得している。今季の大リーグは低反発球を導入。5月終了時点での平均打率が1969年以降で最低の・236と低迷していることを差し引いても、防御率0・56は夢の数字だ。

 早くも3度目のサイ・ヤング賞どころか、MVP候補の声まである一方、心配なのは故障。背中の張りなどで3試合先発できなかった5月に続き、この試合も右肘付近の違和感で降板した。「肘の状態は自分が一番分かっている。深刻ではない」と本人は楽観視しているが、長引くようだと初の防御率0点台挑戦や個人タイトル争いはもちろん、地区首位を快走するチームにも大きな影響が出てしまう。

 (サンケイスポーツ編集局次長・田代学)

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