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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】U-24ジャマイカ戦で魅せたMF遠藤航の技ありゴール 日本代表6月シリーズの好プレー大賞

 日本代表の6月シリーズでナンバーワンに挙げたい好プレーは、U-24(24歳以下)東京五輪代表のジャマイカ戦(12日・豊田)の2点目です。

 オーバーエージ(OA)枠で招集されたMF遠藤航(28)=ドイツ1部シュツットガルト=が前半42分、自らがボール奪取して得点まで決めました。それぞれの選手が役割を完璧にこなして、チームで崩したゴールでもありました。

 まず、遠藤がボールを奪った場所が最高。相手ゴールに近く、すぐに日本が3人(遠藤、久保、前田)、ジャマイカが2人という数的優位が生まれました。相手はパスコースを封じにかかりますが、遠藤は視野が広く落ち着いている。後方から走りこんできたMF三笘にパス。さらに動きを止めることなく、三笘の後ろに回りチャンスをうかがいます。

 すでに先制を許しており、これ以上の失点を嫌ってゴール前を固めるジャマイカに対し、日本は速いパス回しを選択して相手を翻弄。三笘と久保の動きで、遠藤が打てるシュートスペースができました。

 でも、すぐには打たない。ここが肝です。この場面で今度は左サイドからDF旗手が猛然と走りこんできました。遠藤からパスが送られると予測した相手DFが旗手をマークしてスペースができた瞬間、遠藤いわく「“イン巻き”は得意」という右足のインフロント、それもあえてループ気味にシュート。狙い通り逆サイドのネットへ吸い込まれました。

 個の力でズドーンという一撃ではなく、東京五輪で金メダルを目指すこのチームが、順調に進んでいることを実感させるゴール。決めた瞬間、遠藤も「どうだ!」と言わんばかりに、左手で握りこぶし突き上げました。組織の力で完全にねじ伏せましたね。五輪本番でもぜひ見たい、美しいゴールでした。 (元J1横浜監督・水沼貴史)