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【松本秀夫 プロ野球実況中継】ファンの楽しみを考えると…ストライクは「積極的に取る」方がいい!!

 先日、パ・リーグのある試合を取材していたのですが、非常にストライクゾーンが狭かった。のみならず、両軍のキャッチャーが「えっ?」というジェスチャーを見せることが数多くありました。球審の名前になじみがなかったので調べると、今季から1軍の球審を務める若手の方でした。

 経験のない審判はしっかりとストライクゾーンを見極めようとして、手が上がりにくくなると言います。一般社会で新入社員があまりに丁寧に仕事をやろうとしすぎて、逆にうまくいかないことがありますが、それに似ているかもしれません。

 いまプロ野球界は時短という大目標の中で、なるべくワイドにストライクを取っていこうという流れにあるといいます。それに野球を見ている多くのファンは、投げて打って走るプレーを楽しんでいらっしゃいますから、ボールの連発は盛り下がるというもの。あと、試合の流れでゾーンが変わるのもよくないですよね。一般的に、浅い回でどんどん取っていても、後半のしびれる展開になると手が上がりにくくなるのだそうです。

 かつてストライクゾーンが非常に広い審判でいらした故・平光清さんは、引退後に「四球を見て楽しいのはバックネット裏、中央前列の20人くらいのお客さんだけなんだよ。どんどんストライクを取っていかなきゃ」と話してくださったことがあります。名言だと思います。

 おしまいに今回のコラムの表現を訂正します。わかりやすくするために、あえて「ストライクゾーンが狭い、広い」って書きましたが、放送ではNG。ゾーンはあくまで一定というのが大原則ですから、「広い」は「積極的に取る」、「狭い」は「きっちり取る」が適切な言い方。たまに言いそうになるので要注意です(汗)。 (フリーアナウンサー・松本秀夫)

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