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【清水満 SPORTS BAR】実は“イップス”だった服部真夕、6年ぶりVに感動 左打ちを徹底練習

 テレビ中継を見ていてちょっと感動した。女の涙に、である。前週女子ゴルフのステップ・アップ・ツアー「SkyレディースABC杯」(兵庫)でベテラン服部真夕(33)が優勝した。下部ツアーだけど流した涙…。インタビューでは意外な告白があった。

 「実は“イップス”だったんです。6、7年前からアプローチが打てなくなって。もしかしたら見ている人が“素人みたい”と思うくらい、打てなくなっていたんです」

 “イップス”とはこれまでごく自然にできていたことが突然、思い通りにできなくなること。心理的な要因とされているが、服部はその暗闇に入ってしまったという。「悩んだなんて生易しいものではなかった。やれることは全て試した」。そして試行錯誤の末、出合ったのが『左打ちのアプローチ』。市販の左打ち用の56度ウエッジを購入、徹底的に練習した。

 そして、マンデーから出場権を得た昨年6月の「アースモンダミンカップ」で初めて実戦で試した。そのとき残したコメントがある。「右で打つよりもパーを取れる確率が上がりましたね。今までのような打つときの“気持ち悪さ”がないので、そういう意味では今は自分の武器になっている気がしました」

 2007年から11年間連続で保持していたシード権を18年に失った。それ以来、下部ツアーが主戦場という苦しい環境ながら、ひたすら左打ちを磨いて見事にカムバックである。テレビ解説をしていた岡本綾子プロも「イップスはメンタルの部分だと思う。自ら告白する人はなかなかいないですが、カミングアウトして克服した姿はいいですね」と感心していた。

 下部ツアー賞金ランクも3位へ。今季2位内に入れば、来季前半の本ツアー出場権を得られる。女子ゴルフでは“黄金世代”“ミレニアム世代”などの若手ばかりが注目されるが、近頃は笠りつ子、申ジエ、菊地絵理香ら“ナイスミドル”も優勝した。ツアー5勝の実力者・真夕、33歳も「必ずツアーに戻ります」と。復活物語、期待したいですね。 (産経新聞特別記者・清水満)

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