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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】縦断高校野球列島(21)三重 あの池田を打ち砕いた明野の"ブルファイト打線" 異色のボクシング出身監督の“KO理論” (1/4ページ)

 三重県の野球の魅力は打力だ。2014年の夏準優勝を飾った三重、決勝戦で大阪桐蔭に3対4と僅差で敗れたが、6試合のうち5試合で二桁安打、3番宇都宮東真、4番西岡武蔵を中心に勝負強く、8番中林健吾のスイングも鋭く下位打線の中でポイントゲッターとなった。

 つながる打線で全体に打球が強かった。ボールに手を出さない選球眼。基本的にはセンター返し。相手が好投手やディフエンスが強くとも突き破る決定力があった。欲しい所で得点を挙げられる質の高さを感じた。

 決勝戦は大接戦、最後まで三重は攻めの姿勢を貫いた。伝統の三重、オールドファンも多くスタンドの8割ほどの声援を受け、優勝した大阪桐蔭の西谷浩一監督は『最後は完全アウェーでした。』と振り返るほどの興奮に包まれていた。

 1986年夏の明野には正直ビックリした。何と徳島の“やまびこの池田”を真っ向勝負で打ち破った。この頃の池田の打力はすごかった。夏春連覇の82年夏(エース畠山準、元南海など)83年春(エース水野雄仁・元巨人)の甲子園で他校を圧倒し金属バットの申し子といわれた選手たちの打撃力は最高レベルだった。

 そのパワーと技術はその後のチームにも受け継がれていた。他校が打力で池田に勝るのはかなり難しいと思った。それが7対2で快勝した。私が夏の実況デビューの年だったので記憶に鮮烈だ。池田はセンバツでも優勝を果たし自信に満ちて春夏連覇に挑んできた。

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