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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】日本の野球はメジャーに並んだ パワー不足を覆す大谷の打撃力 イチロー、松井に納得しなかった野球評論家らも沈黙 (3/4ページ)

 94年に日本は大きな転機を迎える。野茂英雄という若い投手が、野球協約の抜け穴を使ってドジャースに移籍したのである。その後も野茂は、リーグ最多奪三振、95年のオールスター戦で先発などで日本のファンを沸かせた。彼が投げる試合はすべて全国放映され、その姿は国内各地の巨大ディスプレーに映し出された。当時の村山首相は彼を「国の宝」と呼んだ。

 スポーツライターの増島みどり氏は、「野茂氏の成功は、日本人がまだ世界で勝負するには身体的、経験的に未熟だとする考えが間違いであることの証しだと感じた」と言う。日本人選手に対する低評価をはねのけるものであった、と。

 しかし、その後ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本優勝も、WBCを単なる春季トレーニングとしてしか見ていないMLBファンにとっては無意味なものだった。アメリカの野球評論家らも、MLBで活躍した日本人打者は一人もいない、と指摘した。

 この批評は、イチローがMLBに移籍し2004年にシーズン最多安打記録を打ち破った時、また松井秀喜が09年にワールドシリーズでヤンキースを優勝に導きMVPを獲得した時に、一部は打ち消されたものの、依然として、イチローはシングルヒットを量産するだけの打者だとか、ゴジラ松井は日本でシーズン50本塁打の記録を持ちながら、米国では31本が最多記録で一度も本塁打王のタイトルを獲得していない、といった声が一部の批評家から上がっていた。メジャーリーグを席巻する本物の強打者がまだ日本から生まれていなかったのである。

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