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【巨人の事件簿】劇的!!長嶋監督リーグ初優勝 前年屈辱の最下位から大補強でチーム一新 (2/2ページ)

 投手陣では4年目の小林繁が成長、細身の横手投げで躍動し、18勝8敗2セーブをあげてチームの大黒柱となる。それに続いて加藤初も15勝4敗8セーブをあげて後押ししたのだ。

 ただ、この年は阪神も調子よく、巨人のあとをビタリと追走していたが、要所で巨人が突き放す。6月8日の対阪神戦では0-2とリードされた9回裏に5番打者末次利光が逆転サヨナラ満塁ホームラン。長嶋監督が両手を回し、小躍りして末次を抱きしめたのはいまなお語り草になっている。

 また、大詰めの10月11日の対阪神戦で王がベーブ・ルースの通算本塁打記録を拔く715号ホーマーを放ち、勢いをつけた。

 そして、シーズン130試合目、巨人はマジック1で広島での対広島戦に臨む。10月16日、この最終戦に勝てば優勝、負けると4試合を残す阪神が全勝すると逆転優勝となる際どい戦いだった。

 ここで巨人は王のホームラン、小林の好投などで5-2で勝ち長嶋巨人初優勝を達成。前年本拠地後楽園で広島の初優勝を見た最下位巨人が一転、今度は敵地広島で長嶋監督の体を宙に舞わせたのである。

 前年、最下位ながら広島の初優勝を心から祝福した長嶋監督に広島・古葉竹詩監督が駆け寄り「おめでとう。良かったですね」と祝福のお返しをした。

 前年最下位からの優勝。翌日、広島から羽田への全日空機に乗り込んだナインに機長が「長嶋監督はじめ巨人軍の皆さま、優勝おめでとうございます」と粋な機内放送。どっとわくナインに当時の主将の柴田勲が「一般乗客の皆さま騒がしくてすみません」と謝ると「構わないぞ。おめでとう」とあちこちの席から拍手と歓声があがった。

 劇的なリーグ優勝を決めた巨人だが、阪急相手の日本シリーズは3連敗のあと3連勝で追いついたものの最後に敗れて日本一には届かなかった。(スポーツジャーナリスト・柏英樹)

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