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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】縦断高校野球列島(22)富山 メンタルの強さが生んだ“新湊旋風” (1/4ページ)

 富山の野球は非常にいい線まできていると思う。強豪相手に十分戦える。力負けもしなければスピードでも対抗できる。これからどんどん頭角を現していきそうな気配を感じる。

 甲子園には色々な風が吹く。“旋風”と称されるが、現場で初めてその風を感じたのが1986年センバツの新湊だ。クレバーでコントロール抜群の右腕、酒井盛政を擁し、攻撃では集中力を発揮して数少ないチャンスを得点に結びつけ、岩坪智主将を中心にピンチにも動じない精神力を発揮し、周囲の評価をことごとく超える想像以上の結果を出し続けた。

 打ち破った相手の校名をみればそのすごさが分かる。1回戦の愛知の享栄、2回戦の千葉の拓大紅陵、準々決勝の京都西(現・京都外大西)いずれ劣らぬ強豪、ドラフトにかかるトップクラスの選手がいて優勝候補の呼び声も高く、名将が率いるチームでもあった。

 雨の中の完封勝利、点の取り合い、延長14回のせめぎ合い、対応能力が素晴らしかった。選手1人1人が自分を知り野球を良く学んでいる印象を受けた。準決勝こそ酒井の疲労もあり宇都宮南に3対8で敗れたが初出場のセンバツでここまでやると周囲はだれも思わなかっただろう。風はチーム内に吹き学校に吹き地域に吹き全国に及んだ。グラウンドに登場するだけで大歓声がわいた。

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