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【東京五輪スペシャルトーク】貴乃花 陸上100メートルは相撲と同じ「立ち合い」で80%決まる 最大の感動はカール・ルイス (1/2ページ)

 陸上100メートルはスタートがものをいう特出した競技。相撲も立ち合いで80%近くは勝負が決まるので、似ているところがあります。

 世界一を決めるような大会は誰が勝ってもおかしくない。最初の1、2メートルで勝敗が決する。1本線の上をしっかり走った人が勝つのだと思います。100メートル先のゴールが目的ではなく夢の現実、“夢現”に向かう1000メートル先を目指し、集中力に加えて克己心、己に勝つ心を抱かなければいけない。スタートからゴールまで遠くの先を1点集中していることが、勝敗を決するのでしょう。

 速く走るためには大きな筋力、骨格を鍛えること。瞬発力は大きな遅い動きでしか鍛えられないところも、相撲と共通しています。つま先よりもかかとから走り出す出だしの力も、相撲のスリ足に似ています。風圧と衝撃の違いはありますが、風を切り裂く瞬発系の醍醐味と、無差別級であることも相撲と同様です。

 私は1991年の世界陸上100メートルでカール・ルイスが当時の世界新記録9秒86を出したとき、国立競技場のスタンドで観戦していました。長嶋茂雄さんが「カール、カール! ヘイ、カール!!」と呼ぶ声も間近で聞きました。あっという間のレース展開で、カール・ルイスのバネとスピードの固まりという強い印象を覚えています。世界最速の走りが、目前で駆け抜けた記憶です。会場は歓声と歓喜で渦巻いており、あの時のような感動はあれ以来、経験したことがありません。

 私は陸上ではどちらかというと中距離タイプ。小学校3年生ぐらいまではリレーの選手でしたが、高学年になるともっと速い子がいました。

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