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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】猛暑、感染再拡大、ほぼ無観客…開催は無責任で強欲だけど、東京五輪は史上最悪ではない (3/3ページ)

 2016年のリオデジャネイロ五輪でも多くの問題が発生した。ブラジルの人たちは、空港に着いた観光客に帰るように促したほどだった。

 マネーロンダリングによる腐敗危機は国を脅かし、不十分な下水処理がジカ熱ウイルスを発生させた。グアナバラ湾の水質汚染問題、大気汚染も問題となった。

 さらに、イスラム聖戦主義者によるテロの脅威や、ロシアのドーピングスキャンダル、詰まったトイレ、汚水が漏れたパイプやむき出しになった電気配線などメンテナンスに悩まされた選手村の問題もあった。オーストラリアの選手団約700人は修理が行われている間、ホテルに滞在するはめになった。チームの代表は31棟のうち「居住可能」なのは10棟だけだとクレームをつけるほどだった。

 リオにはほかにもいくつか犯罪による問題があった。オーストラリアのパラリンピックチームの2人が強盗に遭った。報道によると、ニュージーランドの選手は警官に誘拐され、所持品を奪われた。ビーチバレーボール会場の近くでは、遺体の一部が打ち上げられた。

 それでも、リオは生き残り、リオ五輪を多くの人々が観戦した。世界の人口の半分がオリンピック報道を見て、公式コンテンツの動画は70億回以上再生された。比較的ドーピング問題が少なかった中で、100以上の世界記録や五輪記録も生まれたのだ。

 これらを踏まえたら、東京五輪は最終的には成功するかもしれないという希望はある。

 ■Robert Whiting 作家。米ニュージャージー州生まれ。『和をもって日本と成す』(1990年)で日本のプロ野球の助っ人外国人を描き、独特の日米文化比較論を展開した。この逆バージョンともいえる本コラム「サクラと星条旗」は2007年から好評連載中。

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