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【小林至教授のスポーツ経営学講義】WBC発足時にMLB首脳は五輪貴族への不満をまくしたてた 「なぜ日本は肩入れするのか」 (1/2ページ)

 「IOC(国際オリンピック委員会)の金儲けのために、シーズンを中断してメジャーリーガーを派遣するというのはできない相談だ」

 ソフトボールの「金」を含む連日のメダルラッシュ、そして侍ジャパンも発進した東京2020大会をテレビで見ていて、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の開催条件を巡って、MLB(大リーグ機構)と交渉に臨んだときのことを思い出した。

 2005年8月、当時ソフトバンクホークス球団の取締役だった私は、NPB(日本野球機構)の交渉団の1人としてニューヨーク市のMLB本部を訪れた。野球はその1か月前、08年北京大会を最後に五輪種目から除外されることが正式決定していた。

 MLBはそれを見越していたわけではないとのことだったが、野球の真の世界最強国決定戦、後に「WBC」と命名される新イベントを翌春の06年3月に開催することを発表していた。

 その交渉における、MLBの主張は以下の通り。

 WBCはMLBが主催する招待試合であり、権利はすべてMLBとMLB選手会が50%ずつ出資して設立したWBC株式会社に帰属する。リスクもすべてWBC株式会社が取る。NPBはノーリスク、費用はすべてWBC持ち、大会が成功すれば分配金も出す。いったい何が問題なんだ、と。

 対する私たちの主張は-。それはその通りだが大会の収入源は、スポンサー収入もテレビ放映権収入も少なくとも80%以上が日本からのものだ。つまり、日本の参加なくして成立しないイベントである。WBC株式会社への経営への関与(出資)も含め、権利関係を見直してもらいたい。さもなくば不参加もある。

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