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【編集局から】東京の街を走る、パラリンピックのマラソン競技

 2007年に始まった「東京マラソン」は、当時の石原慎太郎都知事が五輪の招致もにらんで主導したものでした。コロナ禍前には当選倍率が12倍にも達する市民ランナーあこがれの大会の地位を確立。狙い通り五輪の開催地も射止めました。

 ところが19年10月になって国際オリンピック委員会は突如、酷暑を理由にマラソンの会場を競歩とともに札幌に変更。さまざまな暑さ対策に取り組んできた小池百合子都知事は寝耳に水で、「涼しいところと言うんだったら、北方領土でやったら」と不快感をあらわにしたのでした。

 1年延期の末、今月札幌で行われた五輪のマラソンは結局、ひどい熱さに見舞われました。同じコースを3周するうえ、通過するランドマークもわずかで、“テレビ映え”も今ひとつでした。

 こんな積もり積もった残念な思いを払拭してくれるのが、パラリンピックのマラソン競技。全5種目とも最終日の9月5日に、当初の予定通り東京の街を駆け抜けます。

 国立競技場を発着点に雷門、銀座、東京タワーなどの名所も巡り、最も速い競技用車いすなら五輪記録をはるかに上回る1時間20分余で走破。テレビの前で応援はもちろん、“本来”の東京五輪マラソンをときどき夢想させてもらいつつ、海外の視聴者にも東京の街の魅力が伝わってくれたらと思います。  (運動部・笹森倫)

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