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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】縦断高校野球列島(24)~福井~ 県勢初Vと“100年目”に生まれた大記録 敦賀気比・松本の2打席連続満塁ダ~ン! (1/4ページ)

 ★2015年センバツ準決勝・大阪桐蔭戦

 2015年87回センバツは“高校野球100年目”の節目だった。この大会で福井県勢念願の甲子園初制覇を敦賀気比が達成し主役の座に躍り出た。勝負強い堅実なチームだった。しかし、頂点を極める戦いの中で誕生した記録はスケールが大きかった。準決勝の大阪桐蔭戦の満塁ホームランにまつわるものだ。

 達成者は6番ライト・背番号17の3年生、右打ちの松本哲幣(現・エイジェック)だ。個人1試合2本、2打席連続、2イニング連続、打点8。ずらりと並ぶ記録に対する感動は私の中ではこれまでで最高だった。

 この日第一試合が敦賀気比対大阪桐蔭、第2試合が浦和学院(埼玉)対東海大四(北海道)で私は第2試合の実況担当だった。2本目が飛び出した“その瞬間”は試合前の1塁側の室内練習場で浦和学院の取材中だった。何となく“異変?”を察知したのは取材が終了し出口近くにある小さなテレビモニターに視線を送ったときだ。目を疑うばかりのスコアが表示されていた。2回終了、敦賀気比10-0大阪桐蔭。

 その場に60人ほどの報道関係者がいてざわついていた。皆一瞬、関心が第1試合の内容に移っていた。そしてスタンド下の通路を東海大四の3塁側に移動する最中にさまざまな情報が聞こえて来る。

 『満塁ホームランが2本出たらしいで』『同じ選手が打ったってよ』『2打席連続って本当か?』『過去に誰かいるんか?』『清原は打ってないで!』『選抜では初めてだ!』『いや夏もないやろ?』『2本やったら8打点やん!』『打点はこれまでの最高は7やぞぉ!』…さすが各社精鋭の記者たち。どんどん情報を入手し記録の価値を確認していく。

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