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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】イチロー氏、伝説の1年目 日本人アスリートの劣等感を払拭 メジャーデビュー20周年、大谷快挙で再びクローズアップ (3/4ページ)

 「俺はこう言うんだ。『グローブがきれいかどうかなんて関係ないだろ?俺のもお前のと同じぐらい役立つぜ』ってな」とブーンは振り返る。

 「イチローにはいつもこう返されたよ。『君には道具に対する敬意が欠けている』ってね」

 1995年、野茂英雄氏は日本人投手がMLBで十分戦えることを証明した。彼は規約の抜け穴をくぐって米国に渡り、ドジャーズと契約。その年のオールスター戦に先発投手として出場、新人王を獲得し、「ノモマニア」旋風を巻き起こした。

 しかし、日本人野手のスキルと耐久力に関しては懐疑的な見方があった。事実、多くの人間がイチロー氏はMLBで効果的に戦うには華奢すぎる、と思っていた。

 だがそんな議論もイチロー氏の成功によって終止符が打たれる。メジャー移籍前の片足を宙に浮かせた振り子打法を封印し、日本人野手のために扉を開き、日本人がスポーツに関して長く抱き続けた「劣等感」の払拭を後押しした。また、レギュラー選手として活躍することで、日本野球の評価において野茂英雄氏が残した功績を受け継ぎ、さらに発展させた。

 スポーツライターの増島みどり氏は、「こうした日本人アスリートたちは、日本人のスポーツ分野での劣等感-日本人が世界で勝負するには身体的、経験的に未熟だという意識-が間違ったものであると証明した」と記している。

 「運動能力だけの問題ではない。彼らは新しい物事の考え方、日本社会の中で生まれてきた新しい哲学を象徴する存在で、この新しい哲学には大きな影響力があると私は信じている」

 「日本のアスリートたちは、日本人に希望を抱かせることができると思う」とさらに増島氏は書いている。「彼らは海外の仲間たちと肩を並べるだけでなく、時として先頭に立つこともあるのだ」

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