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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】イチロー氏、伝説の1年目 日本人アスリートの劣等感を払拭 メジャーデビュー20周年、大谷快挙で再びクローズアップ (4/4ページ)

 イチロー氏の成功に鼓舞され、2009年ワールドシリーズMVPの松井秀喜氏を始め、福留孝介、城島健司氏、井口資仁氏、大谷翔平など、多くの選手が後に続いた。

 来日するスカウトも激増した。元オリックス監督のジム・コルボーン氏は振り返る。「最初シアトル・マリナーズのスカウトだった頃は、東京ドームには私しかいなかった。まるで王族の客人のような扱いを受けたよ。球団のスカウトやメディア関係者に交じって、グラウンドと至近距離のアクリル板裏の席に座らせてもらった。だがイチロー氏が大当たりしてからは一転、米国のスカウトは害虫のように鬱陶しがられるまでになった」

 イチロー氏はその後も活躍を続け、10年連続打率3割以上、10年連続200安打以上、メジャー通算3000安打以上と、殿堂入りにふさわしいキャリアを積み上げていった。また2006年の第1回WBCでは日本を優勝に導き、2009年の第2回大会の決勝戦で放った延長10回のサヨナラ打は、我々の記憶に焼き付いた。

 イチロー氏の殿堂入り資格獲得は2025年までおあずけだ。今は、彼があの伝説的な2001年シーズンに成し遂げたことを思い起こし、称える時間としよう。

 ■Robert Whiting 作家。米ニュージャージー州生まれ。『和をもって日本と成す』(1990年)で日本のプロ野球の助っ人外国人を描き、独特の日米文化比較論を展開した。この逆バージョンともいえる本コラム「サクラと星条旗」は2007年から好評連載中。

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