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【ロバート・ホワイティング サクラと星条旗】スポーツと政治が絡み合う米国 インディアンスの改名、ブレーブスへの批判…国を分断した時のような社会的闘争の真っただ中に (1/4ページ)

 日本はスポーツと政治が互いに距離をとっている国だ。自民党が大谷翔平やオリンピック金メダリストを褒め立てて、国民に日本人であることの誇りを抱かせようとするような場合は別だろうが…。

 権力や思想の干渉も比較的少なく、野球に関して私の記憶では、参議院の調査対象にまでなった悪名高い江川事件と、竹内寿平コミッショナーが米国人投手のスティーブ・ハウを、重罪犯ではないにも関わらず、米国での薬物使用歴のため日本でプレーすることを禁じたことぐらいだ。

 この点アメリカは異なる。政治とスポーツは常に絡み合い、今年は特にそれが顕著だ。先日閉幕したMLBの2021年シーズンは、大小問わずあらゆる社会的不公平に目を光らせる左翼のポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)とウォーク(woke=社会問題への意識が高いこと)の活動家に大きく影響されたシーズンとして歴史に残るだろう。

 実例その1は、1915年以来のチーム名を2022年シーズンからクリーブランド・ガーディアンズに変更したクリーブランド・インディアンスだ。球団側は、「ワフー酋長」の名前とロゴの使用が品位を傷つける、というアメリカ先住民団体からの訴えと、アメリカ先住民に対する固定観念をいつまでも残す、という活動家グループからの批判を、長年放置していた。

 しかし2020年、ミネソタ州ミネアポリスで起きた警官による黒人男性ジョージ・フロイド氏の暴行死を機に始まった抗議行動を受け、事態は山場を迎える。通行人がスマートフォンで撮影した事件の動画は、米国全土でマイノリティーグループの怒りを誘発し、NFLのワシントン・レッドスキンズがチーム名をワシントン・フットボール・チームに変更するに至った。

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