阪神は23日、春季キャンプのメンバー振り分けを発表。若手メンバーの人選を目にした球団関係者は「もったいないなぁ」と残念そうだ。
主力が中心となる沖縄組の注目は、和田監督が「昨年11月の(秋季)キャンプでもう少し見たいという若手が何人もいた」ことで抜擢した森田、西田、中谷、伊藤隼、緒方ら若手野手陣。いずれも掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(58、DC)が注目し、熱血指導した“掛布チルドレン”だ。
戦力の底上げを目指す首脳陣にとって、芽のある若手を間近で試したいと思うのは当然だ。だが肝心の塾長はスロー調整のベテランや新人のいる安芸組スタート。球団関係者は「指導半ばで離れ離れ。掛布塾も“閉校”か…」とポツリ。
もちろん、球団は掛布DCの一時的な沖縄入りなどサポート体制を整えているが「2年後、3年後を見据えれば、もう少し掛布さんのもとで、じっくり育成しても面白かった」(2軍関係者)。「今は褒めてうまく選手を乗せているが、春季キャンプに入ればそうもいかない。掛布さんが厳しい指導を始めたとき、選手がどう反応するか。化学反応を楽しみにしてたんだけど…」(2軍首脳)という声が続々。
また、掛布DCが帯同する安芸組の主目的は若手育成のはずだが、新入団選手に関しては「新しく入ってきた選手は未知数。最初は手をつけないと思う」と静観の構えで、せっかくの指導力も発揮する場は少なそうだ。
掛布DCは「大きく形が崩れることはない。本人もやりたいことがわかっている」と塾生への影響を否定。中村GMもメンバー振り分けを「首脳陣の英断」とたたえていたが、“もったいない”という声が出るのも一理ありそうだ。