阪神の浮沈のカギを握る4番候補の新外国人、マウロ・ゴメス内野手(29)=前ナショナルズ=が18日、フリー打撃を行い、88スイングで柵越え19本と怪力ぶりをアピールした。
「日に日に体調はよくなっている。100%ではないけどね」。笑顔を見せたゴメスの視察に、この日はセ・リーグ5球団の007が勢ぞろい。「前評判通りのパワーがある」という声があがった一方で、実力に首をかしげるムキも多い。
在京球団スコアラーは「打撃投手の軽い球で打ち損じているよ」とポツリ。「打てるゾーンに来れば飛ぶが、逆にそのゾーンが狭い。だから打撃投手の球で詰まっている」と指摘する。
左越え9本、左中間8本、中越え2本と大半が左方向。別のスコアラーも「左方向に打った球に打ち損じがなかったので引っ張り系。典型的なパワーヒッターですね。ただ、右方向の打球が少ないのはどうか。外の変化球に対応できないかも」と不敵な笑みだ。
ゴメスはドミニカ共和国出身。中南米系選手にはバレンティン(ヤクルト)ら強打者がいるが、在京球団スコアラーは「バレンティンの方が断然上でしょう。彼は外のボールを右翼席へ運べる」。昨季、打点0で退団したブルックス・コンラッド内野手を引き合いに出し「この時期は、彼の方が打ってたよ」とニヤリ。球団内には「ゴメスがコケれば6位もある」という声もあっただけに、お先真っ暗か。
ただ、母国での出産の立ち会いや誕生した長女の体調不良などで合流が遅れ万全ではない。和田監督も「捕らえたときの飛距離はすごいものがあるけど、まだ打ち損じが多いかな。下(半身)ができてスイングスピードがあがってくると捕らえられるようになる」と調整段階を強調している。辛口評価を覆せるだろうか。