阪神の沖縄・宜野座キャンプが26日、打ち上げ。和田豊監督(51)が「80点」と総括し充実の表情を浮かべる一方で、表情がさえないのは営業サイドだ。
約1カ月間のキャンプを総括した指揮官は「私が打撃コーチ時代から見てきた中で1番良かった」と新井貴をMVPに選出。紅白戦で一発を放ったドラフト4位・梅野(福岡大)、25日の韓国LG戦で好投した同5位・山本(王子)ら若手にも「戦力になる」と表情は緩みっぱなし。リーグ優勝に期待が持てれば、営業側としても好材料だが表情は厳しいままだ。
この日、球団が今春の沖縄キャンプの観客数を発表。昨年の6万7400人に対し、何と1万900人減の5万6500人。昨年は2月26日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した侍ジャパンとの強化試合が組まれていたことから、実質的なキャンプ日数は4日短い22日間だっただけに、衝撃は計り知れない。
また、今春は晴れが10日、曇りが12日で雨は4日。11日の日本ハムとの練習試合も雨天中止になるなど天候に恵まれなかったのも事実。昨年は藤浪や西岡ら新顔が多かったことを思えば救いはあるが「ここまで減るとは…」と営業関係者。
激減の原因は新守護神の呉昇桓(オ・スンファン)の集客力。韓国のセーブ王の加入時、韓国メディアから放映権の問い合わせが殺到し、韓国人ファンなどの新規顧客拡大に胸を躍らせていた。そのため今キャンプでは球場の至る所でハングル語の注意書きを掲示。助っ人としては異例のグッズ販売もされた。
しかし、韓国メディアは呉が登板した25日のLG戦に10社訪れたが、あとは肩すかし。グッズも「25日は売れたが、あとは厳しい状況が続いた」(前出関係者)とか。このままでは「広告を出したい」とオファーを出している韓国企業の興味まで薄れる可能性もある。期待の韓国マネーに暗雲が立ちこめてきた。