阪神の4番候補、マウロ・ゴメス内野手(29)=前ナショナルズ=の沈黙が続いている。甲子園室内練習場で2日、フリー打撃を再開したが、前日1日に続き、報道陣は完全シャットアウト。首脳陣に“箝口令”も発令されるなど、ピリピリムードだ。
ゴメスは2月23日の中日とのオープン戦(沖縄・北谷)を足の張りで“ドタキャン”して以降、別メニュー調整。この日も室内からバット片手に引きあげてきたが「グッドモーニング」とだけ言い残し、クラブハウスへ消えていった。
球団では別メニュー調整が始まったキャンプ終盤から大砲隠しが続いている。1つ2つに限られていた質問も帰阪後はNG。唯一の情報源は、前日1日に「きょうはティー打撃とノック。朝の状態を見てバッティングをやるかもしれない。室内で私が投げる」と“専属広報”を務めていたオマリー打撃コーチ補佐だった。
だが、この日は一転。同コーチは「ワカラナイ。きょうはノースピーキング。ゴメンナサイ」の一点張り。最後に「“ゴメス”ナサイ」と周囲を笑わせたが、陽気なこの人も沈黙し始めた。
この厳戒態勢、「ゴメスの報道はネガティブな話ばかり。周りから情報が出て、本人を追い込みたくないのでしょう」と球団関係者は明かす。
ゴメスの離脱の原因は足の張りだったが、右ひざ裏に痛みを抱えていることが発覚。和田監督は、日本球界の配球に慣れさせるため実戦で多くの打席数を消化させる方針だったが「(開幕まで)俺は3〜4打席で出たこともあるし、人による」とぶっつけ開幕4番をぶち上げた。が、これも状態が芳しくない証拠。他球団スコアラーも「開幕4番はマートン。一塁は新井(貴)でしょう」と見切りモードだ。
得点力不足の解消の切り札が、4番どころか開幕さえも危うくなってきた。