■メジャー速報
マーリンズのイチロー外野手(41)が29日(日本時間30日)、本拠地でのメッツ戦の8回に右越えへ今季初本塁打となる3ランを放った。決定的な追加点を挙げる貴重なアーチで7−3の快勝。マイアミのファンは熱狂し、イチローも感極まった様子でカーテンコールに応えた。
4−3と1点リードの8回1死一、三塁。相手ベンチはイチローに対し、「マリオの帽子」と呼ばれる頭部保護の大きな帽子をかぶった左腕トーレスをぶつけてきた。
大きなイチローコールの中、追い込まれながらもファウルで粘り、8球目に内角に来た93マイル(150キロ)の速球を軽やかにスイング。体の回転で振り抜く技ありの打撃で、夜空に高く舞いあがった打球は右翼スタンドに消えた。
スタンドの歓声は最高潮。イチローは感情を抑えるようにダイヤモンドを一周したが、ダッグアウトでもみくちゃの祝福を受けてさすがに興奮した表情をみせた。鳴り止まない拍手にも帽子を取って応えた。
ヤンキース在籍時の昨年7月15日以来の一発。27日から始まったメッツ3連戦の2試合で7打数無安打。この日も第3打席までは無安打だったが、追加点が欲しい場面で期待に応えた。12打席ぶりの安打が貴重な本塁打となった。
「何投げてくるかさっぱり分からない。どれかに絞ることはできなかったので、とにかくインプレーにしたいと思っていた。チームメートもファンの人もあんなに喜んでくれたら泣きそうやね。みんなにこんな(雰囲気を)つくってもらって、というのは初めての経験」とイチロー。
かつて感じたことのないチーム、ファンとの一体感に孤高のベテランは感動しているようだった。