野球の名家、原一族の顔となった巨人・菅野智之投手(26)。昨季限りでユニホームを脱いだ伯父、原辰徳前監督(57)の一家とも独特な関係で結ばれている。
那覇キャンプが休養日の19日、菅野は地元沖縄出身の宮国とともに那覇市立垣花小学校を訪れ児童らと交流。質問コーナーで「今は原監督を『伯父さん』と呼びますか」と問われると、思わず苦笑いを浮かべて「難しい質問なんですけど、まだ『監督』と呼んでいます」と告白した。
幼少時はいとこにあたる原氏の長男・嘉宏氏を「よっくん」と呼んだ流れで、原氏のことも「よっくんパパ」と呼んでいた。巨人で同じユニホームを着てから「監督」と呼ぶようになったが、公的な関係が解消された今も親戚付き合いの場で「監督」と呼ぶのは、野球一族ならではというべきか。ちなみに原氏は高校、大学と野球部監督が父・貢氏だったが、さすがにプライベートは「父さん」と呼んでいた。
その原氏は監督退任後、球団特別顧問のポストに就いたが、今春キャンプは姿を見せず。一方で嘉宏氏は宮崎1次キャンプ中、菅野の陣中見舞いに訪れた。野球の道に進まなかった“原ジュニア”だが、現在は東京の高級住宅街で自らの名を冠した創作和食の店「麻布十番 嘉」を経営。昨年12月の開店に際しては、菅野もお祝いに駆けつけた。互いの立場は変われど、いとこ同士の交流は続いているようだ。
ボスが伯父から高橋新監督に代わった今季、菅野はエースとしてもう一段レベルアップを求められている。これから始まるオープン戦の登板に向け、この日は「監督が迷わず決められる結果を出したい。圧倒的な結果、内容があってだと思う」と開幕投手への意気込みを語った。
3月25日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)では、原氏が日本テレビの生中継に特別ゲストで出演予定。“御前試合”で原一族の威光を示したいところだ。 (笹森倫)