【編集局から】“阿部殺し”といわれた変則投球のルーツ

2016.07.08

小林正人氏=2006年
小林正人氏=2006年【拡大】

 プロ野球には“変則”と呼ばれるタイプの投手がいます。多くは左のスリークオーターかサイドスロー。左打者にとっては背中の方からボールがくる格好で恐怖感がわき、打ちにくい。逆に右打者にとっては見やすいため、主に対左打者へのワンポイントリリーフとして起用されます。

 かつて中日に、強打者の巨人・阿部をきりきり舞いさせ“阿部殺し”といわれた左サイドハンドがいました。小林正人氏(35)。2014年限りで引退し、現在は球団広報を務めています。

 東海大から2002年ドラフトで中日に6位で入団。当初はオーソドックスな上投げでしたが鳴かず飛ばず。3年目のオフにサイドに転向しました。勧めたのは森繁和投手コーチ(現ヘッドコーチ)。親しいテレビ局関係者に編集してもらったDVDを前に置き「こういう投手になれ」と命じたそうです。そこには、森コーチの西武投手時代の同僚で1970年代から80年代に“左殺し”として活躍した永射保(ながい・たもつ)投手の往年の投球シーンが録画されていました。

 必死に永射投手のフォームを研究し、自分の働き場所を切り開いた小林氏。もともとは年代的に存在すら知らなかった大先輩から、時空を超えていぶし銀の技術を伝承されたのです。 (運動部・宮脇広久)

 

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