今季阪神のスタメンは143試合で126通りを数えた。特に固定できなかったのが、守りの要である捕手だ。
開幕スタメンは12年目のベテラン岡崎だったが、左手有鈎骨骨折で離脱。育成枠からはい上がった原口、プロ3年目の梅野、ドラフト2位・坂本誠志郎(22)が3つどもえで正捕手の座を争ったが、最終的に6人もの捕手が先発マスクをかぶった。
おのおの決め手を欠き、勝負強い打撃に定評がある原口は、腰と右肩に不安を抱えおり、三塁コンバート案まで浮上中。梅野は守備面が課題で2度のファーム落ちを経験。結局得意のバットも湿り打率・135で今季を終えた。
そんな中、他球団が来季最も警戒するのが坂本だという。今季は28試合に出場し打率・200、1本塁打、2打点。シーズン終盤に先発出場する機会が増え貴重な経験を積んだ新人には、もう1つ“武器”がある。
「独特の声が相手ベンチまでよく通る。選手の間でも『あいつ、ホントにうるさいな』って話が頻繁に出ていた。正直、試合に集中しにくい。ずっとベンチやスタメンで出られたら、かなり厄介な存在になるよ」(セ他球団幹部)
大学日本代表や明大で主将を務めるなど、キャプテンシーは折り紙付きの坂本。来季は“ヤジ将軍”として相手の脅威になりそうだ。 (山戸英州)