阪神が国内FAでの獲得を検討しているオリックス・糸井嘉男外野手(35)に、生え抜きの若虎たちが戦々恐々としている。
チームは26日に甲子園球場での秋季練習を打ち上げた。金本知憲監督(48)は「(体を)強くするというテーマで練習を始めたが、思った通りにできた」と総括。29日から高知・安芸での秋季キャンプに突入する。
そんな中、若手選手にとって気になってしかたがないことがグラウンド外に存在する。絶賛開催中の日本シリーズ、ではない。関西で連日スポーツ各紙が1面で報じている、FA補強の動向だ。
チーム関係者は「糸井が加入すれば、右翼を守る福留さんを含め、外野のレギュラー3枠のうち2枠は埋まってしまう。当然若手は危機感を募らせている」と証言する。
ある若手は「今年は内外野関わらず、監督は若手を積極的に起用されていた。ただ、実績のある糸井さんが来るとなれば話は別。優先的に起用されるでしょう」とみる。
また、別の選手は「影響は外野だけにとどまらない。外野が埋まれば、出場機会を求めて内野転向を直訴する選手が出てくるはずで、どのポジションでも競争は激化する。糸井さんが来る、来ないでチーム事情は大きく変わる」と警戒する。
球界の“超人”と張り合える若虎の台頭を見たいものだ。 (山戸英州)