阪神・金本知憲監督(48)が、国内フリーエージェント(FA)権を行使し入団交渉中のオリックス・糸井嘉男外野手(35)について“無期限”で返答を待つ姿勢を示している。
「(返事の期限は)決めていない。信じて待つしかないね」
11日に自ら出馬し初交渉を行った指揮官は、「(今季は)2ケタ本塁打(17本)打ってるんだから1番はもったいない。(バントせずに)攻める2番が理想」と早くも打順の構想まで練っている。
自身は2002年のオフ、広島から阪神へFA移籍。「俺は10月末まで(に決断する)と期限を決めた。俺、イラち(せっかち)やから」と振り返ったが、こと糸井に関しては「穏やかに待ちます」。この日も糸井側から球団への連絡はなかったが、はやる気持ちを抑えて吉報を待つ構えだ。
球団OBは「監督は相当な手応えを感じての余裕の発言だね」とみる。その上で「肝心なのは来季、若手がどれだけ外野のレギュラー陣に割って入る意欲を維持し続けられるかだ」という。
「糸井が入団すれば外野の一角は埋まる。今季右翼を守り続けた福留もいるから、残るは左翼の1枠だけになる」
とはいえ、空いてる左翼狙いだけでは「定位置を奪えない」という。
「来季40歳シーズンを迎える福留に成績で上回ろうとする若虎が出てこないとね」。ベテラン2人が外野の定位置を占めたままだと「厳しい戦いを強いられる」と予測する。糸井の加入が決まれば決まったで、新たな課題も出てくるのだ。 (山戸英州)