16日に高知・安芸での秋季キャンプを打ち上げた阪神。19日間におよぶ「鍛えるキャンプ」では、野手に連続ティー打撃などで1日1000スイングを課した上、筋トレも重視とハードな内容が続き、金本知憲監督(48)は「俺は満点だと思うよ」と満足げ。
「(選手は)ホンマに頑張ったと思う。離脱者が出てもおかしくないと思ったが、全員よくついてきた」とうなずいた。
ナインにとってはようやくつかの間オフがやってきたが、指揮官は「たまには休んでもいいんじゃないですか」と話す一方、「オフに何もしなかったら、この(秋季練習と秋季キャンプの)2カ月間が無駄になる。12月、1月も自覚を持ってやってほしい」とクギを刺した。
球団も今オフ、選手のテレビ、ラジオ出演やイベントへの出席を最小限に抑える方針。特に高山ら1年目を終えた選手を対象に、12月に研修会を実施。球団幹部による講話では、国士大からプロ入りして3年目の左腕・岩崎を例に出して引き締めを図るという。
「通常大卒者は2年目のオフに退寮可能だが、彼は4年目の来季も寮生活を続行し練習に打ち込む。先日も、講演会のオファーを『自分はまだ、そんな成績を残していない』と断った。自分を俯瞰でみる冷静な判断力を新人にも養ってもらいたい」(球団幹部)
とはいえ、球団の管轄外となる12月、1月には例年、老舗の人気球団らしく若虎たちにはマスコミや企業の関係者からゴルフや宴席などの“お誘い”が殺到する。この期間の選手は基本的に自己責任で行動するが、今オフに限っては高山や北條ら期待の星が真っすぐ成長するよう、球団があらゆる手段を尽くして誘惑を振り払う構えだ。
「ウチの若手が夜遊びしていたり、街中をフラフラしていたらどんな情報でも構いません。すぐに、球団へご一報いただきたい」(同)と報道陣にまで要請。超変革を成し遂げるには、ここまで徹底しないとダメか。 (山戸英州)