人生でチャンスを生かすのは難しい。プレッシャーに打ち勝って大舞台で活躍すれば、ステップアップに結び付く。または、けがなどの苦難を乗り越えての復活劇には今後の活躍を期待させるものが垣間見える。スポーツに関連して最近、そんなチャンスをつかむであろうシーンが写真に納められていた。
初勝利を挙げるのに、まさか3年という歳月を要するとは思っていなかっただろう。米大リーグ、カブスの和田毅投手(33)だ。プロ野球ソフトバンクで2010年に17勝(8敗)を挙げて最多勝のタイトルを獲得するなどエースとして活躍。12年に大リーグ、オリオールズと2年総額815万ドル(約8億1500万円)で契約を結び、勇躍、渡米した。だが、移籍初年の12年春季キャンプ中に、ヤンキースの田中将大投手と同じく、肘(左)の靱帯損傷が見つかり、手術。リハビリなどで時を過ごし、メジャー昇格がないまま2年が過ぎた。
7月28日に地元シカゴで行われたロッキーズ戦に先発し、7回5安打1失点と好投。7月8、23日に次ぐ3試合目の先発でメジャー初勝利(1敗)を手にした。「今まで後押ししてくれたすべての人々に感謝したい。きょう駄目だったら後はないというイメージだった。ようやく勝って、これがスタート」と喜んだ。
スタンドには、仲根かすみの芸名でグラビアなどで1990年代に活躍した元タレントで、05年12月に結婚した可澄美夫人(32)の姿があった。結婚と同時に芸能界から引退して9年になるが、往年の清楚な美貌は健在。祈りながら夫の投球を見詰める様子がうかがえた。
帰宅の遅かった初勝利の夜は特に祝勝会などはしなかったそうで、「妻と娘が待っていてくれたので、ウイニングボールを渡しました」と和田。夫のリハビリを陰から支えてくれた夫人への感謝の気持ちが込められていた。