貨幣にどこまで手を加えると犯罪になるか弁護士に聞いてみた

2016.12.13


【拡大】

 読者の皆さんは、小さい頃に硬貨を使った実験をしたことがあるだろうか。金属の性質を調べるためにこすって光沢を確かめたり、あるいは10円玉をきれいにするために醤油に漬けてみたり、身近な硬貨を使って知的好奇心をくすぐる実験は数多くある。しかし、こうして硬貨になんらかの加工を施すことは、無意識のうちに偽造通貨を作ることに加担しているのでは、という疑問も浮かび上がってはこないだろうか。「教えて!goo」にも同じような「硬貨を磨くと犯罪ですか?」という

 疑問が寄せられている。

 ■硬貨を綺麗にしたい、はどこまで許される?

 質問は硬貨を綺麗にするために、研磨することが法に抵触するか否かを問うている。回答の多くは「研磨」と「変造」の線引がどのようにの行われるのかについて、コメントしている。

 「磨いたくらいじゃ犯罪になりません。磨き続けて刻印が消えたり、曲がったり、穴が開いたりしたら犯罪です」(373Ryuさん)

 「研磨とは形状を保ったまますり磨くことであって、形状をなくすまで削ることは削磨といい、研磨の常識の範疇を超えます。番手の荒い紙やすりで削ることを研磨とは言わないと思います」(dogdayさん)

 「明確な線引きは無いでしょうから、程度の問題だと思いますが。普通に『磨く』って判断されれば問題ないでしょうし。『変造』って判断されれば問題になるでしょうし」(neKo_deuxさん)

 他にも、綺麗な硬貨を鑑賞したいのならば、「プルーフ硬貨」を選ぶことも一つだと回答している。

 「造幣局では、昭和62年から収集のための貨幣として、特別な加工を施した『プルーフ貨幣』を製造しています。『プルーフ貨幣』は、貨幣をより美しくご覧いただくため、表面を鏡のように磨いたものです。流通している貨幣とデザインは同じで、市中で使用していただくこともできます」(oo14さん)

 こうしてみると、「研磨」と「変造」の線引は研磨する目的段階で分けるのか、結果としてできた硬貨の形状で分けるのか様々である。

 ■弁護士が説く貨幣変造のラインとは?

 硬貨に何かしらの手を加えることは、一歩間違えば犯罪となってしまう。正しい硬貨の利用のためにも、現行の法律がどこまで硬貨への加工を許しているのかは、今一度確認しておくべきであろう。そこで今回は貨幣変造のラインについて、あい湖法律事務所の飛渡貴之弁護士に解説していただいた。

 「貨幣は、その目的にかかわらず、故意にこれを損傷したり鋳つぶすことは、禁止されています(貨幣損傷等取締法第2項)。貨幣は、アルミニウム、銅等の金属で出来ており、加工等により他の物に転用可能です。また、新5百円になって難しくなりましたが、50円を同様の原料である500円に加工することも出来ました。これらを防止するための法律です。もちろん、流通している貨幣の散逸を防止する意味もあるのでしょう。したがって、貨幣をきれいにすること自体はなんら問題はありません。確かに、研磨剤等を用いて、貨幣をきれいにすることはあり得ます。しかし、多少研磨し過ぎる程度ではなく、貨幣の輪郭が変わるとなると問題となるのでしょう。そもそも、輪郭が変わるまで研磨することは、貨幣をきれいにするためではないといえるでしょう」

 どうやら目的が結果に牽連するかたちで、変造か否かのラインが推測されているようだ。では、紙幣の場合では、こうした変造のラインは違ってくるのだろうか。

 「貨幣と異なり、紙幣について、損傷及び加工を取り締まる法律はありません。間違ってもらっては困るのは、偽造紙幣を認めているのではありません。偽造紙幣は、刑法により取り締まっています。紙幣の原料は紙ですから、紙幣を損傷又は加工しても、他の紙になるだけであり、価値は著しく減少します。また、紙幣が破れたため、テープでくっつける等したとしても、偽造とはいえません。偽造とは、テープでくっつけた人が紙幣に似たものを作成したと、客観的に認められる場合です。ただ、疑われる余地はありますので、わざわざテープで貼らずそのまま利用するか、銀行に行って交換してもらうことをお勧めします」

 紙幣の場合は耐久性の弱い紙が素材になっているため、硬貨のような変造はすることはできず、破れた時にどうするかということに問題は集中する。しかし、いかにテープでくっつけた紙幣が使用可能であるとしても、額面の違う紙幣をつなげ合わせた紙幣になれば、飛渡弁護士の言う「偽造」になってしまうだろう。

 (樹木悠)

 相談LINE(Soudan LINE)

教えて!ウォッチ

 

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。