ファイナルステージ第6戦でソフトバンクに敗れ、日本シリーズ進出を逃した日本ハム。栗山英樹監督(53)は「全てにおいて力不足だった。選手にこのような思いをさせて申し訳ない」と、目を潤ませながらわびたが、采配には相手からも疑問の声が挙がった。
「正直、(相手の)スタメン表を見て驚いた。だって1番調子のいい選手を使ってこないんだから」。ソフトバンク関係者は試合前に小躍りしたという。理由は9番打者。5年目捕手の市川の名があったからだ。
指揮官は「(先発の)上沢との相性を考えて。“攻撃型”にはすぐにでも変えられる」と説明したが、スタメンを外れた大野は戦前まで今季CS通算で15打数9安打、打率・600。最も当たっている打者だ。市川は10打数2安打で同・200だが、先発の上沢は大野が先発マスク時の防御率3・65の一方で市川では同3・09。大野の攻撃力よりも失点の可能性を防ごうという“守備型”布陣だったわけだ。
だが、試合では上沢が4回に先制の2点を献上。栗山監督は直後の5回1死二塁で大野を代打に送り“攻撃型”にスイッチしたが、この好機では勝負を避けられ(結果は四球)得点にはつながらず。そのまま無得点で進んだ9回に、投手と二塁手の間で弾んだ内野安打に失策が絡み1点を返したが、時すでに遅し。
「試合の頭から出ているのと代打では気持ちの作り方が違う。やはり大野がラッキーボーイだった。スタメンからいたらどうなっていたか」と球団OBは天を仰いだ。
試合前、栗山監督は「短期決戦では奇抜なことは必要ない」と話していたが、15日の第1戦では先発のルーキー浦野を引っ張りすぎて逆転サヨナラ負け。この日はラッキーボーイをスタメンから外す奇抜そのものの采配。「流れをどうやったらこっちへ持ってこられるかをいつも考えている」と口にしていた指揮官が、流れを自ら手放してシーズンを終えた。 (片岡将)





